絨毯の本
インスタや当店のニュースレターで絨毯やキリムの解説を書くことがあるのですが、その時参考にするものとして『本』は大切なアイテムです。インターネットでも検索は出来ますが、なかなか良い情報に辿り着けないこともしばしば。かと言って『本』も主観的な内容が多いのが悩みの種。もちろん、じっくりと研究された素晴らしい本もありますが、部族も産地も多いペルシャ絨毯。特にキリムは絨毯ほど商業化されていない分、謎めいているのではないでしょうか。また絨毯屋さんが書いた本は(Webサイトも然り)自分の持つ商品の解説というか説明が述べられていることがめずらしくないように思います。
どうしても知りたくて、どうしても分からないことがあると一緒に仕事をしているテヘランのバザールの仲間たちに問い合わせ。ただ、彼らも『ペルシャ絨毯の世界は知り尽くせない』という時がある程、ペルシャ絨毯は多民族が広いイランの様々な地域で発展させてきたものです。
昨年、世界的に有名な某オークションハウスの目玉商品であったサファビー朝時代の絨毯も、オークションでいくらの価格になるのか結果を楽しみにしていたのですが、インスタ等でその絨毯に対して様々な意見が出オークションは行われたようですが結果が付かず闇雲の状態になっていました。勉強して、研究し尽くしてきたオークションハウスの研究者達にも答えが出ないことがあるということなんですね。
目の前の絨毯に思いを馳せるのも絨毯を楽しむひとつなのかなと、改めて思う今日この頃です。
(ペルシャギャラリー 小島美和)