絨毯に見る樹木と動物の紋様
2021/10/16
古伊万里等、日本のデザインにもしばしば見られる樹木の周りで鳥や動物が戯れるデザインがあります。
それはササン朝ペルシャ(227~651年)に広まった樹下動物のデザインが東西の世界に広まったものだと言われています。
樹下動物のデザインは樹木を中心にその下や左右に羊、鹿、鳥などの動物が配されているデザインです。
古代ペルシャでは天空には恵みの雨を降らせる深海があり、その海の中には聖なる木があると考えられていました。その樹木には不死の樹液があり動物に恵みをもたらす命の樹であるとされていました。
そのため、樹にすり寄る動物や舌を出して樹を舐めようとしている動物のデザインもしばしば見受けられます。その樹の下は動物たちにとって聖地であり楽園と考えられました。
人気のギャッベにもある『生命の樹』は聖樹単独のデザインでイラン各地だけではなく世界へ広まったデザインです。世界中で表される樹の紋様。諸説もあり樹木の種類は様々ですが、人は静かに力強く生きている樹に神秘的なパワーを感じるのではないでしょうか。